「『汝、星のごとく』の続きが気になる」「暁海たちのその後を見届けたい」。
そんな人に向けて、続編となる『星を編む』とAudibleで楽しむポイントをまとめます。
結論から言うと――
『汝、星のごとく』を好きになったなら、『星を編む』まで読んで(聴いて)ようやく物語が完走する
というタイプの作品です。
本編で描ききれなかった “その後” と、彼らを支えた大人たちの物語が、静かに、でも確実に心に刺さります。
『星を編む』の基本情報
- 著者:凪良 ゆう
- 出版社:講談社
- 発売日:2023年11月8日
- 形式:3つの中編から成る連作
- 「春に翔ぶ」
- 「星を編む」
- 「波を渡る」
- 関連作:『汝、星のごとく』の続編・スピンオフ
- 受賞歴など:2024年本屋大賞8位ノミネート(前作に続き2年連続ノミネートの快挙)
Audibleではオーディオブック版が配信されており、単品購入も可能です(時期によって聴き放題対象かどうかは変わるので、最新の配信状況はAudible公式ストアで確認してください)。
『星を編む』ってどんな物語?(ネタバレなし)
①「春に翔ぶ」――北原先生の過去と、教え子の抱えるもの
1作目「春に翔ぶ」は、瀬戸内の島で櫂と暁海を見守ってきた北原先生の視点の物語。
- 北原先生自身の“青春時代の傷”
- 病院で再会した教え子・菜々が抱える問題
- 生徒たちとどう向き合ってきたのか
教師として「生徒の人生にどこまで踏み込むのか」「何が正解なのか分からないまま、それでも寄り添おうとする」苦悩が描かれます。
②「星を編む」――編集者たちが燃やす“裏方の愛”
表題作「星を編む」は、漫画原作者・作家となった櫂を担当する二人の編集者の視点の物語。
- 「才能」という名の星をどう輝かせるか
- 作家の生活と心を、どこまで守るべきか
- 作品のために、時に鬼にならざるを得ない編集者の葛藤
「天才の周りで、黙って火の粉をかぶる大人たち」の物語でもあり、クリエイターや編集・ディレクション業に携わる人なら胸が痛くなるパートです。
③「波を渡る」――愛の先を生きていく暁海
3作目「波を渡る」は、『汝、星のごとく』の「その先」を描く物語。
- すべてを失った後も続いていく暁海の人生
- “あの物語”の後、彼女は何を選び、どう生きるのか
- 「私たちは幸せだったのかもしれない」という一文の意味
前作を読んで胸が張り裂けそうになった人には、この第三部が優しい追い手になります。
ハッピーエンドとは違う、でも「ここまで来てよかった」と思わせてくれるラスト。
Audible版で聴く『星を編む』の良さ
1. “静かな感情”が音で立ち上がる
『星を編む』は、派手な事件やどんでん返しよりも、
- 恥ずかしさ
- 後悔
- 罪悪感
- 誰かを想う温度
といった 小さな揺れ が積み重なる物語です。
文字だけだと素通りしてしまいがちなニュアンスも、声になると一気に立体的になります。
ため息の長さ
少しだけ間を置いてから話す台詞
言い切れない言葉の尻すぼみ
こういう部分がAudibleだとすごく効いてきます。
2. 編集者・教師など「大人の仕事」のリアリティ
「春に翔ぶ」と「星を編む」は、どちらも**“支える大人側”の仕事小説**でもあります。
- 生徒を守ろうとする先生
- 作家を世に出そうとする編集者
彼らの会話劇は、オーディオブックとの相性がかなりいいです。
職場の空気感や、会議室での温度差、電話越しの沈黙――こういう「場の温度」が音声でよく伝わります。
3. 『汝、星のごとく』→『星を編む』と“連続で流せる”幸福
Audibleには本屋大賞作品の特集ページがあり、『汝、星のごとく』と一緒に『星を編む』も見つけやすい構成になっています。
- 前作を通してから
- すぐ続編に入る
という「一気聴き」がしやすいのも音声ならでは。
特に**『汝、星のごとく』の読後感が重すぎて動けなくなった人**は、間を空けずに『星を編む』へ流れると、気持ちの落としどころが見つかりやすいです。
読んで(聴いて)刺さったテーマ
● 才能だけじゃなく、「支える人」も消耗していく
表題作で描かれる編集者たちは、才能を信じるがゆえに自分をすり減らしていく存在です。
- 売れる作品を求める会社
- 生活が不安定な作家
- その間で板挟みになる編集者
「どこまでが仕事で、どこからが“個人としての愛情”なのか」が曖昧になっていく感じは、
クリエイティブな現場で働く人ならかなり共感すると思います。
● 愛の答えは一つじゃない
『汝、星のごとく』と『星を編む』に通底しているのは、
“正しい”愛し方なんてない
というメッセージ。
- 親子の愛
- 恋人としての愛
- 友人・仕事仲間としての愛
それぞれが形を変えながら登場しますが、
どれも「こうでなければならない」という結論には収まりません。
暁海の最終的な選択も、**“模範解答”ではなく“彼女自身の答え”**として描かれているのが印象的でした。
どんな人におすすめ?
1. 『汝、星のごとく』が刺さった人はマスト
これはもう鉄板ですが、
- 前作でボロボロに泣いた
- 暁海と櫂のことをしばらく忘れられなかった
という人は必読レベルです。
前作だけだと「ここで終わるの、つらすぎない?」という読者も多く、
実際、多くのブロガーやレビューでも「セットで読んで完結」という声が上がっています。
2. 編集・ディレクション・企画職の人
- 出版の編集者
- Webメディアのディレクター
- クリエイターのマネジメント側 etc.
つまり「誰かの才能を預かる側」の人に、表題作は刺さりまくると思います。
「正しさ」と「売上」と「好き」をどうバランスするか――
仕事のモヤモヤを整理するきっかけにもなります。
3. 重いテーマでも“希望”は欲しい人
虐待・貧困・ヤングケアラーなど、前作同様に重い要素は出てきますが、
『星を編む』は前作よりも一歩外にひらいた視点で書かれています。
闇の中に小さな灯りがともるような読後感が欲しい人におすすめです。
Audibleで『星を編む』を聴くときのコツ
コツ①:必ず『汝、星のごとく』から
構造上、『星を編む』だけ先に聴くのはおすすめしません。
- 人間関係の背景
- 暁海と櫂の15年分の積み重ね
を知らないと、感情の重さが伝わりきらないからです。
Audibleでの順番のおすすめ
- 『汝、星のごとく』をフルで聴く
- 数日〜1週間、感情をクールダウン
- 『星を編む』を3編に分けてじっくり聴く
コツ②:1日1編ペースで区切る
3つの中編はそれぞれ密度が高く、感情が重いシーンも多いです。
- 「春に翔ぶ」だけで1日分
- 次の日に「星を編む」
- さらにその次の日に「波を渡る」
という分割視聴がおすすめ。
一気聴きも可能ですが、精神的な消耗が激しいので、通勤や家事時間など「区切りのつけやすいタイミング」で聴くと負担が減ります。
コツ③:気に入った章は紙 or Kindleで読み返す
あるブロガーは「最初はAudibleで聴き、その後紙の本を買って読み返した」と書いています。
- 初回:Audibleで感情を浴びる
- 2回目:紙やKindleで、気になったセリフ・描写をじっくり味わう
この二段構えは、凪良作品との相性がとてもいいです。
まとめ|『星を編む』まで聴いて、ようやく物語は“完走”
最後にポイントを整理すると――
- 『星を編む』は『汝、星のごとく』で描ききれなかった「大人たち」と「その後」の物語
- 3つの中編それぞれが、教師・編集者・暁海の視点から愛と人生を描く
- Audible版なら、静かな感情の揺れや職場の空気感がよりクリアに伝わる
- 前作が刺さった人、クリエイターを支える仕事をしている人にはほぼ必須レベルの1冊
「ああ、そうか。わたしたちは幸せだったのかもしれないね。」
この一文の重みを、
耳で、そして心で受け取りたいなら――
まずはAudibleで『汝、星のごとく』を、
そのあと『星を編む』を。
この順番で、ぜひ“ふたつで一つ”の物語を味わってみてください。

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