この「グロ控えめサスペンス」の基準
今回のラインナップは、こんなイメージで選んでいます。
- 直接的なグロ描写は少なめ
- 内臓がどうこう…みたいな「映像が浮かんで気持ち悪い」タイプは基本ナシ
- 心理的な怖さ・人間の闇がメイン
- 後味の悪さ・価値観の揺さぶり・どんでん返し多め
- Audibleで配信されていること
- プロのナレーションで“耳からトラウマ”を刻みにいきます
※とはいえ「心えぐられる系」は多いので、メンタルの元気さだけは要チェックで。
① 儚い羊たちの祝宴(米澤穂信)
- タイプ:暗黒ミステリ/短編集・連作
- グロ度:★★☆☆☆(描写は控えめだが想像するとエグい)
- 心理的な怖さ:★★★★★
お嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」を軸にした連作短編集。
優雅な世界観から始まるのに、ラスト1行で世界がひっくり返る…という“絶対零度の恐怖”が売りの一冊です。
Audible版はナレーター・飯野めぐみさんが朗読。上品な語り口と物語のダークさのギャップで、余計にゾクッときます。再生時間は約9時間強で、耳読みにちょうどいいボリュームです。
読書ブログでも「描写はグロくないが、想像するとゾッとする」「上流階級の言い回しでグロさが少なく読みやすい」といった感想があり、まさに“グロ控えめ・心理が怖い”代表格。
こんな人におすすめ
- 流血よりもじわっとくる後味の悪さが欲しい
- 短編でサクサク聴きたいけど、内容は濃くあってほしい
- 「ラスト1行でひっくり返る系」が好き
Audibleで聴くときのポイント
- 1話1話が完結しているので、通勤1回=1エピソードくらいのリズムで聴くと気持ちいい
- ラストの表題作は、できれば静かな環境で集中して聴くのがおすすめ
② 告白(湊かなえ)
- タイプ:イヤミス/心理サスペンス
- グロ度:★〜★★☆☆☆(肉体的グロより“心のグロさ”)
- 心理的な怖さ:★★★★★
中学校の教師・森口が、自分の娘を殺した犯人に対して“ある復讐”を実行する…というところから始まる、一人称リレー形式のサスペンス。
ブログレビューでは「血が飛び散るグロさではなく、人間の考え方そのものがグロテスク」と評されていて、心理的なイヤさがメイン。
映像化(映画版)はかなりショック描写が強いですが、小説/オーディオブックは“想像に任せる部分”も多く、スプラッタ耐性が低い人でも比較的入門しやすい側です(メンタルには刺さりますが…)。
Audibleでは、複数の視点人物のモノローグが声のトーンの違いで分かりやすくなり、物語の構造がすっと入ってくるのがメリットです。
こんな人におすすめ
- 「人間の醜さ」「連鎖する悪意」を覗きたい
- 子どもが関わる話でも受け止められるメンタルがある
- 湊かなえ作品をAudibleで1冊、まずは試したい
Audibleで聴くときの注意
- テーマが重いので、寝る前よりは昼間の作業中向き
- 章ごとに視点が変わるので、「今日は○章まで」と区切って聴くと負担が少ない
③ ようこそ、わが家へ(池井戸潤)
- タイプ:日常サスペンス/ストーカー・企業不正
- グロ度:★☆☆☆☆(直接的な流血描写ほぼナシ)
- 心理的な怖さ:★★★★☆
真面目で気弱な父親・倉田が、電車での割り込みを注意したことをきっかけに、謎のストーカー被害に遭う。
同時に、出向先の会社での怪しい資金繰りにも巻き込まれていく——「家庭」と「職場」、二重のプレッシャーが襲いかかるサスペンスです。
レビューでは「身近に潜む悪意が怖い」「自宅を特定されて嫌がらせされる展開が息苦しい」といった声が多く、リアルでじわじわ来る恐怖が特徴。
BOOKOFFの「こわい本100冊」企画でも、告白や儚い羊たちの祝宴と並んで「ごく一般の家族が、些細な事からとんでもない事態に巻き込まれる本」として紹介されていて、血なまぐさいホラーではなく、日常系の怖さで評価されています。
こんな人におすすめ
- 幽霊より人間の嫌がらせやストーカーが怖いタイプ
- バリバリのホラーより、社会派寄りサスペンスを聴きたい
- 池井戸潤作品は「半沢」系の経済ものしか知らない
Audibleで聴くときのポイント
- ストーカーの足音・物音がナレーションで淡々と読まれることで、逆に怖さが増すタイプ
- 家族でわいわい聴くより、1人でじっくり聴いて「これ、他人事じゃないな…」とゾッとする系です
④ ゴーストハント1 旧校舎怪談(小野不由美)
- タイプ:ホラーミステリ/学園+オカルト
- グロ度:★☆☆☆☆(子どもでも聴きやすいレベル)
- 心理的な怖さ:★★★★☆
取り壊そうとすると必ず事故が起きる…と噂される学校の旧校舎。
そこに調査に入った心霊現象研究所「SPR」と、巻き込まれた女子高生・麻衣が、次々に起こる怪現象の謎に挑むシリーズ第1巻です。
公式サイトやレビューでは、ホラーでありつつも、論理的に怪異を解明していくミステリ要素や、個性的なキャラクターの掛け合いが評価されています。
Audibleでは、ナレーター・安國愛菜さんがひとりで複数キャラを演じ分け、緊迫したシーンとコミカルな掛け合いのメリハリがはっきりしていて、「怖いけど楽しい」バランスになっています。再生時間は約8時間39分。
こんな人におすすめ
- いきなりドロドロ人間ドラマは重いので、ライト寄りの怖さから入りたい
- 霊能者チームがわちゃわちゃしながら事件を解決していくノリが好き
- シリーズものを最初からAudibleで追いかけたい
Audibleで聴くときのポイント
- 旧校舎のシーンは夜にイヤホンで聴くと普通に怖いので注意
- 逆に学校パートや霊能者たちの会話はテンポが良いので、家事や散歩中BGMにも◎
⑤ シャドウ(道尾秀介)
- タイプ:ホラー寄り本格ミステリ/認知系イヤミス
- グロ度:★★☆☆☆(直接的なグロより“得体の知れない不気味さ”)
- 心理的な怖さ:★★★★★
母子家庭の少年と、その周囲で次々に起こる不穏な出来事を描いたサスペンス。
「何が現実で、何を自分がそう“解釈してしまっている”のか」が分からなくなるような構成で、読後に足元がぐらつくタイプの作品です。
道尾秀介はホラーと本格ミステリの両方で評価されている作家で、本作『シャドウ』は本格ミステリ大賞を受賞した代表作のひとつ。
おすすめ記事でも「ホラーだけでなく、どんでん返しが楽しめる作品が多い」と評されており、**“怖さ×ミステリ的なカタルシス”**を両立した一冊として紹介されています。
Audibleでは2024年頃から配信が始まっており、静かな語り口と物語後半の“認識がひっくり返る感覚”が、耳からじわじわ迫ってくるタイプの作品です。
こんな人におすすめ
- 「読み終わってから、タイトルの意味を考え続けてしまう系」が好き
- ホラーと本格ミステリ、どっちも好き
- 道尾秀介作品をAudibleで何から聴くか迷っている
Audibleで聴くポイント
- 伏線が多いので、再生速度は1.0〜1.2倍推奨(速すぎると細部を聞き落としがち)
- 後で「あのセリフ、そういう意味だったのか…」となるので、気になるシーンはブックマークしておくと楽しいです
まとめ:グロ控えめでも、ちゃんと“怖い”5冊
今回紹介した5作品を、ざっくりタイプ別に並べるとこんな感じです。
- 人間の黒さでゾッとしたい
- 儚い羊たちの祝宴
- 告白
- 日常のリアルな怖さを味わいたい
- ようこそ、わが家へ
- ホラー×ミステリでワクワクしつつゾクッとしたい
- ゴーストハント1 旧校舎怪談
- シャドウ
どれも
「描写のグロさ」より「心理的な怖さ」「価値観を揺らされる感じ」
がメインなので、
スプラッタ耐性が低い人でもチャレンジしやすいラインナップだと思います。

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